学校法人B様
■ ご相談の背景
学校法人D様では、これまで独自に就業規則や各種規程の改定を重ねてこられましたが、
結果として規程数が増加し、全体の整合性や法令適合性に課題が生じていました。
また、同一労働同一賃金への対応や組織体制の見直しなどを背景に、法人として新たなフェーズへの移行を見据え、
就業規則全体を体系的に見直したいとのご相談をいただきました。
■ 抱えていた課題
現状の規程を精査した結果、以下のような課題が明らかになりました。
・法令に適合していない規定の存在
教員の残業代に関する規定が労働基準法の趣旨と一致していない
・規程内容の不足・時代とのギャップ
服務規律が不十分であり、SNS利用など新たなリスクへの対応が未整備
・安全管理体制の未整備
部活動における送迎等での車両利用について、業務上の運転許可制度が存在しない
・実態と乖離した職務権限規程
教員の役割・権限が実際の運用と一致していない
・規程間の整合性の欠如
個別改定が積み重なったことにより、全体としての統一性が損なわれている
■ 当法人の対応内容
D様に対しては、約1年をかけて各規程の全面的な見直し・再構築を実施しました。
単なる条文修正ではなく、以下の観点から支援を行っています。
・全規程の棚卸しおよび体系整理
・法令適合性の確認と是正
・学校法人特有の運用実態の反映
・SNS利用や車両運転など新たなリスクへの対応規程の整備
・職務権限の明確化
・各規程間の整合性確保
また、見直しにあたっては、労働条件に影響する可能性がある項目について、
不利益変更とならないよう慎重に配慮しつつ、経営リスクを低減するバランス設計を行いました。
■ 導入後の効果
改定後は、複雑化していた規程体系が整理され、以下のような効果が見られました。
・規程全体の整合性が確保され、運用上の判断がしやすくなった
・法令リスクへの対応力が向上
・学内におけるルールの明確化によりトラブル予防につながった
さらに、正規職員向けの説明会を実施し、制度理解の促進も図っています。
■ 当法人が果たした役割
就業規則の全面見直しは、特に学校法人においては影響範囲が広く、慎重な対応が求められます。
D様に対しては、規程整備のみならず、
制度変更に伴う影響を最小限に抑えながら、法人としてのリスク管理を強化する調整役として支援を行いました。
また、改定完了後も継続的にご相談をいただいており、制度運用面でのフォローも継続しています。
運送業A社様
■ ご相談の背景
運送業を営むC社様では、これまで社長ご自身が中心となって就業規則を作成・改定してきました。
しかし、度重なる改定の中で「このままで法的に問題はないのか」「内容として十分なのか」という不安を感じられ、当法人へご相談いただきました。
また、当時は別に顧問社労士がいらっしゃいましたが、主に手続き業務が中心で、
就業規則の見直しについては十分な支援が受けられていなかったことも、依頼のきっかけとなりました。
■ 課題の整理
現状の就業規則を精査したところ、以下のような課題が見受けられました。
・絶対的明示事項の一部が未整備
(勤務時間の規定はあるものの、始業・終業時刻の明確な記載がない など)
・休職規程が現代の実務に対応していない
(結核などの疾病には言及がある一方で、メンタル不調による休職が想定されていない)
・懲戒規定が簡略的で、リスク対応として不十分
(トラブル発生時に会社を守る観点での整備不足)
・実務運用と規程内容の乖離
■ 当法人の対応
C社様とは約半年にわたり、就業規則の全面的な見直しを実施しました。
単なる条文修正にとどまらず、
・現場実態のヒアリング
・想定される労務リスクの洗い出し
・将来的な組織運営も見据えた制度設計
を行いながら、実務に即した規程へと再構築しました。
また、最終的には取締役会にて改定内容の説明を行い、経営層・現場双方が納得した形での導入を支援しています。
■ 改定後の変化
改定後、C社様からは以下のような評価をいただいています。
「ここまで大掛かりな改定は自社だけでは対応できなかった」
「実務と規程のズレが解消され、非常にすっきりした」
特に、これまで曖昧だった運用面が明確になったことで、日常の労務対応の判断基準が整備されました。
■ 当法人が果たした役割
就業規則の改定においては、社内で温度差が生じることも少なくありません。
C社様においても、制度整備を進めたい人事部門と、従来のやり方を重視するベテラン社員との間に認識の違いが見られました。
当法人は、単なる規程作成にとどまらず、
社内の合意形成をサポートする“橋渡し役”として機能し、スムーズな制度移行の実現に寄与しました。